これから介護の人材を増やして、高齢者が住みやすい国にするには、介護の労働環境を改善することが早急に求められます。
まず、介護にありがちなイメージとして、大変な割に給与が安いというものがあります。
これは、介護という仕事の重要性を考えてみても由々しき事態です。
お年寄りの暮らしに寄り添い、温かいケアをするのは、そう簡単なことではありません。
いつも利用者さんを気遣い、コミュニケーションを図りながら、日頃の業務もこなしていくのは、かなりエネルギーを使います。
ましてや、人材不足が懸念されている介護業界では、一人あたりの日常業務は少なくないことは目に見えています。
そんな中で、懸命に働いている人たちに対して、相当分の報酬はきちんと払わなければなりません。
頑張った分だけ、充分なお金がもらえる環境であれば、収入に納得して勤め続けようとする人も出てくるはずです。
また、これからどんどん介護スタッフが少なくなっていく、という現実は、介護ケアを受ける高齢者の方も頭に入れておく必要があるといえます。
介護施設を離職する理由として、かなり挙がっているのが、人間関係です。
もちろん同僚・上司との人間関係問題もありますが、高齢者との対応でトラブルになったりストレスになったりして辞める人も多くいます。
ここを食い止めるためには、高齢者の方々も、最低限のマナーを守ったり、介護士さんに対して協力したり、とできる範囲の思いやりを発揮することが重要だといえます。
介護をする人もされる人も同じ人間です。
介護業界を守り、みんなが快適に老後まで暮らしていくためには、お互いを思いやる気持ちをきちんと各自が持つようにしていくことが欠かせないのです。